「プロット」とは文章の骨組みとなる箇条書きの設計図のようなものです。
執筆の前にこのプロットを書くことで、
- 事前に文章の着地点を決めておける
- 書こうと思っていたことがぶれない
- 必要な情報が明確になる
などのメリットが得られます。
さらに、Webライティングの特徴として、
- 基本的に無料で広く公開されるため読者層を選べず
- パソコン、スマートフォン、タブレットなど閲覧環境が多岐に渡り
- 屋内や屋外、さらに「ながらスマホ」のようなシチュエーションでの閲覧もあるかわりに
- 紙面のようなスペース上の制限がない
があり、これらに対応するため、
- どんな人や
- どんな端末、
- どんな環境でも読みやすいよう
- 改行や余白を利用し、広くスペースを使う
のが一般的です。
こういった文章構造に「プロット」がもたらすメリットは計り知れません。
ここでは、前章で例として挙げた「犬を飼い始めるときに気をつけること」を引き続き執筆していきましょう。
なお、前章でリサーチしたキーワードは、
- 犬
- トイ・プードル
- ポメラニアン
- ヨークシャー・テリア
- ダックス・フンド
- おすすめの犬種
- 他
- 猫
- 犬の魅力
- 犬との違い
- ペット
- 犬の魅力
- 飼い方
- エサ
- 選び方
- 与え方
- リード
- 選び方
- 持ち方
- 散歩
- 頻度
- 時間
- 夏
- 他
- 番犬
- 忠実な犬
- 犬の賢さ
- 防犯
- 一人暮らし
- 一軒家
です。
簡単なプロットの書き方
「プロット」は本来、ライティングよりも小説等の執筆に利用される手法です。
例えば、かの有名な昔話「桃太郎」のプロットであれば、
- おばあさんが桃を拾い、中から赤子が生まれる
- 赤子は桃太郎と名付けられすくすく成長する
- 桃太郎は鬼退治の旅に出て、旅の途中で仲間を得る
- 鬼たちが暮らす島で鬼退治をする。平和を取り戻し、幸せに暮らす
のように箇条書きにできます。これが「プロット」です。
この時点である程度「起承転結」が出来上がっていることに注目してください。
例えば、「執筆しようとしているものがそもそもつまらないテーマ」であったり、「着眼点が悪くテーマを活かせていない」ような場合はこの時点で気づくことができるため、無駄な試行錯誤を減らすことができます。
ここから更に、
- おばあさんが桃を拾い、中から赤子が生まれる
- 桃は川から流れてきて、洗濯をしていたおばあさんが拾う
- その頃おじいさんは山に芝刈りに行っていた
- 桃は大きく、おばあさんは苦労して家に持ち帰った
- 赤子は桃太郎と名付けられすくすく成長する
- 桃太郎はおじいさんとおばあさん思いの良い青年に育った
- 桃太郎は正義感が強い
- その頃、世間では鬼が悪事を働き、多くの人々が苦しんでいた
- 桃太郎は鬼退治の旅に出て、旅の途中で仲間を得る
- 仲間になったのは犬、キジ、猿
- 犬、キジ、猿はおばあさんに貰ったきびだんごと引き換えに仲間になる
- 鬼たちが暮らす島で鬼退治をする。平和を取り戻し、幸せに暮らす
- 島の名前はそのものずばり「鬼ヶ島」
- 島には鬼たちが奪ったに人々の財宝があり、取り戻す
- 鬼退治後は犬、キジ、猿とともにおじいさんおばあさんのもとに帰る
のように細部を作り込んでいけば、プロットをそのまま執筆に利用することも可能です。
そして、Webライティングでは「改行や余白を利用し、広くスペースを使う」ことが多いため、ほとんどの場合、文章の構造は、
- タイトル
- 見出し
- 本文
- 見出し
- 本文
- 小見出し
- 本文
- 小見出し
- 本文
- 見出し
- 本文
のようになります。
つまり、プロットはそのまま「見出し」として活用できるのです。
実際にプロットを書こう
では、実際のWebライティングに当てはめてプロットを書いていきましょう。
「犬を飼い始めるときに気をつけること」のプロット
これまでに上がったキーワードはこちら。
- 犬
- トイ・プードル
- ポメラニアン
- ヨークシャー・テリア
- ダックス・フンド
- おすすめの犬種
- 他
- 猫
- 犬の魅力
- 犬との違い
- ペット
- 犬の魅力
- 飼い方
- エサ
- 選び方
- 与え方
- リード
- 選び方
- 持ち方
- 散歩
- 頻度
- 時間
- 夏
- 他
- 番犬
- 忠実な犬
- 犬の賢さ
- 防犯
- 一人暮らし
- 一軒家
これらをプロットに落とし込んでいきますが、もちろんすべてを網羅する必要はありません。
また、プロットに落とし込む段階で「さらに良いアイディア」や「よく考えたら不要なもの」が見つかった際は遠慮なく変更して構いません。
実際に執筆をはじめてからでは「せっかく調べたし……」「頑張って書いたし……」ということがありますが、必要な修正を悩まずに行えるのもプロットを書くことで得られるメリットです。
では、優先順位の高いもの、よりユーザーにとって重要だと思えるものを考えながらプロットに落とし込んでいきます。
パズルの要領でやってみましょう。
- 犬と猫を比較した上で、犬の魅力を説く
- 犬の忠実さ、賢さや番犬としての実績
- 散歩に行くのは犬だけ!(猫との違い)
- おすすめの犬種
- 一人暮らしには小型犬がおすすめ
- トイ・プードル
- ポメラニアン
- ヨークシャー・テリア
- ダックス・フンド
- 一人暮らしには小型犬がおすすめ
- 必要なものの紹介
- リードの選び方
- エサの選び方
- トイレ、ケージ、その他
- 飼い主の責任
- しっかりと散歩にいきましょう
- ちゃんとエサを与えましょう
- 命ある生き物です
例自体がやや極端でしたが、無事に重要なキーワードを含ませ、主要なユーザーにリーチし得る(届く可能性のある)プロットになったと思います。
最後の「飼い主の責任」の部分はややキーワードからは反れる部分もありますが、文章の「まとめ」として導入しています。
「まとめ」があることで、斜め読みのユーザーにも「何が言いたかったか」が伝わりやすく、さらに今回は「この文章自体がしっかりとした知識のある人が書いている」という印象を与えられます。
……もしそうでなくても、動物虐待に加担するような文章は書きたくありませんよね!
プロットができたら
以上で「犬を飼い始めるときに気をつけること」のプロットは完成です。
ここからさらにプロットを深めていくも良し、もう少し早い段階でプロットを切り上げて執筆に進むのももちろん構いません。
ただ、プロットに慣れると頭の中でプロットを組み立ててすぐに執筆に入れるようになります。
こうなれば執筆はより早く、効率的になります。
はじめのうちは慣れずに面倒かも知れませんが、各々の好みで一番やりやすいスタイルを見つけてください。