ライティングしよう

これまでの章で、

  1. 依頼を読み込んで
  2. 情報収集をして
  3. 情報に基づいたプロットを立てる

ところまでが完了しました。
この時点でライティングのちょうど50%ほど、折り返し地点です。

では、改めて前章で作ったプロットを見ていきます。

「犬を飼い始めるときに気をつけること」のプロット

  1. 犬と猫を比較した上で、犬の魅力を説く
    1. 犬の忠実さ、賢さや番犬としての実績
    2. 散歩に行くのは犬だけ!(猫との違い)
  2. おすすめの犬種
    1. 一人暮らしには小型犬がおすすめ
      1. トイ・プードル
      2. ポメラニアン
      3. ヨークシャー・テリア
      4. ミニチュア・ダックス・フンド
  3. 必要なものの紹介
    1. リードの選び方
    2. エサの選び方
    3. イレ、ケージ、その他
  4. 飼い主の責任
    1. しっかりと散歩にいきましょう
    2. ちゃんとエサを与えましょう
    3. 命ある生き物です

以上が前章で作成した「犬を飼い始めるときに気をつけること」のプロットです。
前章で紹介したとおり、このプロットがそのまま「見出し」として活用できます。

プロットから見出しに置き換える

ここから「読んでくれるユーザー」や「読んでほしいユーザー」を想定しながら、伝わりやすい言葉に置き換えていきます。

  1. 犬派? 猫派? 猫にはない犬の魅力!
    1. 犬は忠義の生き物! 防犯にもおすすめ?
    2. 散歩で健康効果。犬友を増やす楽しみも
  2. おすすめの犬種は?
    1. 一人暮らしには小型犬がおすすめ!
      • トリミングが楽しめる「トイ・プードル」
      • 柴犬カットのかわいい「ポメラニアン」
      • 気品ある毛並みの「ヨークシャー・テリア(ヨーキー)」
      • 愛嬌ある胴長短足「ミニチュア・ダックス・フンド」
    2. 大型犬だけの魅力も!
  3. 犬を飼うときに揃えたいもの
    1. 散歩の必需品「リード」
    2. 覚えておきたいドッグフードのこと
    3. 他にも必要なものはいっぱい
  4. 犬を飼う前に知っておきたいこと

今回はやや親しみやすいポップな文体を意識しつつ、いくつかプロットから調整を行いました。
下記で調整の内容や、その理由をご紹介します。

プロットの調整

「何が正解か」は読んでもらうまでわからない部分もあるため、あくまで「自分がユーザーだったら」という視点で調整するのが良いと思います。
また、できるだけ具体的にイメージできるユーザー像としてご両親やご兄弟など、できるだけたくさんイメージを膨らませながら執筆しましょう。

本文を書こう

前章でも触れたとおり、Webに置けるライティングは基本的に「見出し」と「本文」をいくつも組み合わせたものです。
今はまだ長文を書くのが苦手でも、小さな見出しに分けることで、短文を積み重ねて長文を書けるようになります。

では、先程完成したプロット(見出し)から本文を執筆していきましょう。

  1. 犬派? 猫派? 猫にはない犬の魅力!
    1. 犬は忠義の生き物! 防犯にもおすすめ?

仮題「犬を飼い始めるときに気をつけること」 # 犬派? 猫派? 猫にはない犬の魅力! 昨今は空前の猫ブーム。 世間には猫をモチーフにしたグッズが溢れ、猫カフェには人が集い、本屋で猫の写真集を目にすることも珍しくありません。 しかし、思い出してください。 私たち人間は、古来より犬と共存してきました。 見たことがないでしょうか? 歴史の教科書に描かれた、縄文人の隣でさん然と佇む柴(っぽい)犬を! そんな人類の良きパートナー「犬」。 今回は、これから犬を飼いたい人、飼い始めたばかりの人のための耳寄り情報をご紹介します。 ## 犬は忠義の生き物! 防犯にもおすすめ? 犬を飼う上での楽しみ、猫との違いで特に顕著なのは「芸を覚えること」ではないでしょうか? 持ち前の忠誠心と頭の良さで「お手」や「お座り」など、たくさんの芸を披露してくれます。 その優秀さは人間社会で活躍する「盲導犬」や「警察犬」を見れば一目瞭然。 もちろん飼い主とその他の人はしっかりと見分けて、猫にはない大きな鳴き声で不審者を遠ざける「番犬」としても重宝されてきました。

まずは深く考えずにプロットにそって思いついたことなどを書いていきます。
上記で冒頭の部分が書けました。

ここから加筆、修正を加えていきます。

なお、上記の文章はWebライティングに欠かせない「HTML」を誰でも簡単に書くことができる「マークダウン記法」により書かれています。

本文を修正しよう

思いつきで書いていると筆の進みは速いものの、言葉選びや読みやすさなどは二の次になりがち。
そこで、一度書き終わって全体像がはっきりとしてきてから加筆、修正を加えていきます。

では実際にやってみましょう。

修正前の本文


昨今は空前の猫ブーム。 世間には猫をモチーフにしたグッズが溢れ、猫カフェには人が集い、本屋で猫の写真集を目にすることも珍しくありません。 しかし、思い出してください。 私たち人間は、古来より犬と共存してきました。 見たことがないでしょうか? 歴史の教科書に描かれた、縄文人の隣でさん然と佇む柴(っぽい)犬を! そんな人類の良きパートナー「犬」。 今回は、これから犬を飼いたい人、飼い始めたばかりの人のための耳寄り情報をご紹介します。

犬を飼う上での楽しみ、猫との違いで特に顕著なのは「芸を覚えること」ではないでしょうか? 持ち前の忠誠心と頭の良さで「お手」や「お座り」など、たくさんの芸を披露してくれます。 その優秀さは人間社会で活躍する「盲導犬」や「警察犬」を見れば一目瞭然。 もちろん飼い主とその他の人はしっかりと見分けて、猫にはない大きな鳴き声で不審者を遠ざける「番犬」としても重宝されてきました。

修正後の本文


昨今は空前の猫ブーム。 世間には猫をモチーフにしたグッズが溢れ、猫カフェには人が集い、本屋で猫の写真集を目にすることも少なくありません。 しかし、思い出してください。 私たち人間は、はるか昔から犬と共存してきました。 歴史の教科書では、いつも縄文人の隣に柴犬のような犬が描かれていたはずです。 そんな人類の良きパートナー「犬」。 今回は、これから犬を飼いたい人、飼い始めたばかりの人のための情報を厳選してご紹介します。

犬を飼う上での楽しみで、特に猫と違うのは「芸を覚えること」。 持ち前の忠誠心と頭の良さで「お手」や「お座り」など、たくさんの芸を披露してくれます。 その優秀さは人間社会で活躍する「盲導犬」や「警察犬」を見れば一目瞭然。 飼い主とその他の人はしっかりと区別して、大きな鳴き声で不審者を遠ざける「番犬」としても重宝されてきました。

修正箇所

もちろん、これらの修正がすべて正しかどうかはユーザーの反響を見るまでわかりません。
ただし、「なぜそう書いたか」「なぜ修正したか」の「理由」は常に明確である必要があります。

上記の修正とその理由は下記でご紹介します。

導入部分の修正箇所

小見出し後の修正箇所

繰り返しになりますが、これらの修正が正しいかどうかはわからず、手を加えたことによってよりわかりにくくなっている可能性もあります。

その辺りは経験によって掴んでいくしかないため、「なぜそう書いたか」「なぜ修正したか」だけ常に意識していくようにしましょう。

タイトルを考えよう

ここまで本文は完成に近づいていますが、タイトルは仮題の「犬を飼い始めるときに気をつけること」のままです。
必要なキーワードは含んでおり、意味も通っているため問題はないのですが、Webライティングでは特にタイトルが重視されます。

前章でご紹介した「SEO」のこともあるのですが、「タイトルの文字列をクリックさせること」がWebライティングにおける最重要項目だからです。

ここではいくつかの定番のパターンをご紹介します。

Webライティングにおけるタイトルの一例

タイトルの付け方のパターン毎に分類しました。
分類の名前についてはここでの命名で、一般的には特に区別されていないようですのでご了承ください。

標準型

もっとも一般的かつ直接的で、ある意味で無難なタイプと言えます。
SEOのためのキーワードを含めやすく、ユーザー層を選ばず訴求できる点では優秀かも知れません。

感情型

「喜怒哀楽」の感情、特にネガティブな感情を揺さぶり、つい反応したくさせてしまうタイプのタイトルです。
「煽りタイトル」などとも呼ばれます。

ユーザーの反応を得やすい一方、あまり過剰すぎると不快に思われてしまう恐れもある諸刃の剣です。

SNS型

SNSブームによって生まれた「日常的な口語」のようなタイトル。
例えばTwitterやFacebookでそのタイトルが投稿された際、まるで「その人自身の発言」のように見えるのが特徴です。

まとめ型

キュレーションサイトやまとめブログでよく見られるタイプ。
タイトルから本文の長さや情報量が想像できるため、気軽に読まれやすいのが特徴です。

スラング型

「2ch」などの掲示板の情報をまとめた「まとめサイト」が広く知られるようになって生まれたタイプ。
インターネットに慣れ親しんだ(場合によっては影響力の強い)いわゆる「ギーク(オタク)」層にはウケのいい場合もありますが、一般層にはやや下品な印象を与える恐れもあります。

ライティングが終わったら

ここまでで受注、リサーチ、プロット組み立て、ライティングと、一通りWebライティングの流れを追いました。
執筆が終わったら、

などを確認して執筆完了。
「納品」して、「公開(リリース)」を待つのみです。

もしあとから何かの間違いに気づいた場合、一度出版されるとそう簡単には修正できない紙媒体と違い、比較的簡単に修正ができのもWebライティングのメリットかも知れません。
初めのうちは不安もあると思いますが、とにかく数をこなすことで慣れていきましょう。

ターゲットとしている層に近い友人などがいたら、事前に読んでもらうのもいいかも知れません。